2018.01.24 (木) 「クールビズ西山企画 “寝台列車は夢の中へ”~第六夜 凍える夜へと歌を灯せば~」 於 西荻窪Pit bar
■出演
クールビズ西山
ジャックロイド・アダムス
万年床わたなべ
根岸卓平
さきの円盤でのカバーイベントで仲良くなった、クールビズ西山さんの企画。初めての会場で、初めての方々とご一緒した。
1番手はジャックさん。荒々しくギターをかき鳴らしていて、声もハスキーで、かっこよかった。聞けばまだ弾き語りは始めてばかりだといっていて、たまたまクールビズさんがオープンマイクで一緒になり、声をかけたという。そんなこともあるんだな。
2番手がわたし。
リハのとき、どうしてもダクトや電化製品の音が気になってしまって、スタッフのかたに「どうにかなりませんか?」と訊ねる。自分のしていることは沈黙を利用するし、集中もできない。「どうにもならない」ということだったので、じぶんはどうとしても、聴いてるかたがどう思うかな、というのが心配だった。
とはいえ、他のかたのリハや演奏を聞いていると、「外音は意外と大丈夫かも」と思った。揉めたわけではないけど口調が強かったように思い、ちょっと申し訳ない気持ちになった。
この日は久しぶりに「麒麟」や「鳳」をやって、気持ちよかった。歌いながら、どっちも飛びそうなモチーフやのに、あんま飛ばん歌やなと気づいた。
MCでクールビズさんのことを「少年マガジンみたい」と表現して、念頭にあったのは「鳴くようぐいす」だったのだけど、わたしが「火の輪くぐり」をするとき「出た!火の輪」と叫んでいて、やっぱうぐいす感あった。
3番手が万年床さん。万年床さんはすでにファンも多く、巨匠感があった。タイトルでガツンといって、小ネタの応酬。「R-1とかいいんじゃないスか?」とクールビズさんが訊いたら「それでも大丈夫です!」と言っていて、この柔軟性が巨匠たるゆえん。
最後がクールビズさん。ジャックさんとは違うベクトルの荒々しさがあった。切実な虚無もあって、そこがかっこよかった。
わたしはクールビズさんのことをまだ全然知らないけれど、大きい声でハキハキ話す、けど目の奥に何かある人やなと思っていて、それが何かはわからなかった。でも歌を聴いていると、わかることもあった。だから、グッとくる。
イベントはお開きとなって、クールビズさんは颯爽といなくなった。ジャックさん万年床さん、そして私。十人十色を絵に描いたようなメンツやなと思ったので、たくさん話したくなり、さらに西荻の飲み屋街に興味があり、いつかお店に入れたらなと思ってたので、打ち上げとかどうですか、と誘ってみたら、案外好感触やったのでよかった。
万年床さんは仕事の都合で参加できなかったけど、「また会いたいです」と言ってくれたので嬉しかった。
ジャックさんと二人でお店に入った。同い年なのもあって、共通の話題が多かった。悩んできたことも似ていた。
ジャックさんの聴いてきた音楽とわたしの聴いてきたものは違っていて、たとえば中学生のときに2人が出会っていて、もしクラスが同じやっても、あまり話すことがなかったのかもしれない。だけどこうして打ち明けたり、手を叩いて笑いあったりするのは、ここまで生きてこれたからなんやろなと思った。
生きることを正しいと、信じることのできる夜は楽しい。うれしい気持ちで帰る。
1.一億の夜 2.白い栄華 3.千年 4.麒麟 5.火の輪くぐり 6.鳳