Negishi Takuhei

根岸卓平の演奏日程と、その後記

【おしらせ】

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≪新作情報≫
根岸卓平 "2016.11.11(CDR/500円)"
1st e.p."とき"の発売記念イベントでの演奏の様子を収録しています
気合の入った演奏でしたので、ゼヒ聴いてほしいです
ライブに来るキッカケになれば嬉しいです

通販ページ⇒https://uncowakige.thebase.in/

↓ライブはこんな感じです↓ 

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2018.02.28日(木) 「Inspiration&Power」 於 東高円寺U.F.O. CLUB

出演
Ugly
QHØQ
スカルボ
絶望グロテスク
根岸卓平

この日は大変やった、まえのライブがアカンかったなというタイミングで突然、28日、取材にいってくれへんと急遽言われたのだった、わたしはライブの日はいつもお休みをいただくのだが、それは練習時間をとりたいのと、何よりギターを持ち歩いて仕事場にいくことに躊躇いがあるからで、だから、仕事は全然いいのだけど、そうなるとギターを預ける場所とか練習の具合とか、考えるし、さらに仕事前に取材をするというのは、わたしにとってはじめての出来事で、すでに電話を持つ手が震えていた、

取材先ははじめての場所で、はじめての場所にいくことがわたしはニガテだし、次第にネガティブになっていった、わたしはひとと話す仕事が好きだけど、いっぽうで大変緊張する性質でもあるので、取材とライブで、この日はダブルで緊張がくる、そう思った途端、チックもとまらなくなって悲惨、

新宿の佐川さんの荷物預けるとこに渡そうと考え、前日に訊ねると、繁忙期なので厳しいかも、といわれ、ギターもって取材現場にいくなんてどう考えてもムリやし、そこでもさらにテンパって、そしたらエクボ・クォークというアプリを知り、当日使ってみることにした、これはクォーク代わりに各地のお店が預かってくれるというもので、例えばわたしは、高円寺のカフェに預けた。若い子たちが運営していて、いい感じのお店だった、

でも渡した途端、なにが起こるかわからない、自分の歴史をかえりみて、好きな子にインタビューする日の朝に食中毒になるし、卒業式にインフルエンザになるし、そういうことを回想し、わたしはわたしを信じられない、そんなことをぼんやり考えていると、カフェに突然強盗が押し入ってギターが盗まれるとか、なにかのはずみで壊されてしまうとか、諸々考えてしまい、よくよく考えると知らないひとたちに大切な楽器を預けるって、どうなん、みたいな気持ちにもなり、突然過呼吸になっていったん電車を降りる難儀、

まぁもう慣れっこなんで、自分の性質については自罰することもないのだが、とはいえ心臓が落ち着かないのは事実、さらに雨の日で自律神経が最悪で、もう夜のライブまでたどり着けるのか、生きているのか、だいぶ遠くのことのように思った、

取材はなかなか楽しく済んで、あなたってとってもチャーミングね、と女優さんに言われて嬉しかったけれど、結局電車にのるとまたどんよりとしてしまって、早くギターに会いたい、みたいな感じになる、YUIとか家入レオみたいな感じ、祈るような気持ちで電車を乗り継いで店に向かうと、お店の方がすごく丁寧にギターを出してきてくれた、

ギターを手にすると、前回のライブでアカンなぁ、と思ったことが、胸をこみあげてきて、途端にステージに立つのが怖くなるし、あぁ、もう最悪やな、今日はアカンな、みたいになって、まぁ、そういうステージになってしまった、

なんかでも、緊張感とか、そういうの子供の頃からひどかったな、というか、ライブ前に手の震えやチック、ひどい肩こりって、これまでもよくあったというか、だいたいのライブまえがそうで、そう気づいて、うまく付き合っていかなアカンなぁ、と考えていた。そんなときふと、まえにおはるちゃんが、「整体に通うと心も体も調子が整うよ」といっていたことを帰り道に思い出して、整体に通うことを決意する。そういうオチです。

 

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1.一億の夜 2.架空 3.千年 4.南十字 5.剥製 6.火の輪くぐり

2018.02.26(火)「散歩19」於 高円寺 円盤

■出演
AD再騰二三夫
キュア尿道
根岸卓平

円盤の火曜店員・アニュウさんのお誘いでした。

リハーサルのまえにADさんとお話させてもらって、さわやか、というかこう、シティ感あるなと思って、東京の若者に触れた気がした。下北沢でお仕事されてるということで、「下北沢」と繰り返してしまう、もしかしたら初めてってくらい、わたしの思う「東京の男の子」らしい方にお会いしたのかもしれない。ADさんが外に出られたあと「さわやかでしたね」というとアニュウさんも「そうですねぇ」といっていた。

リハーサルが終わったあとなんとなくお腹が減って、そういえばミカンとトマトくらいしか食べてないなと気づく(このころは、食中毒の余波で食欲がなかったのです)。でも演奏まえにたくさん食べるのは、あまりよくないなということで、定食屋を避けコンビニを探すのだが、なんかめぼしい食べ物がなく、何軒か回ったあとに入ったスーパーで90円とすこしくらいのクリームパンを買って食べた。歩きながら食べたから、なんとなく高円寺のひとになれた気がして、むかし石橋貴明が「うたばん」で"旅なれテーラー"というギャグをしていて、用途も意味もよくわからなかったけれど、こなれてる感じとか気づけば両手添えてパン食べてるいまの自分の感じが、お行儀のいいテーラー感あるなとか思った。円盤にもどるころには、開演時間を3分くらいすぎていた。

1番目はキュア尿道院さん。わたしはずっと尿道院さんが気になってて、というのが、何かでお名前を知って、たぶん知り合いの知り合いが共演とか、そういう形やと思うのだが、あと尿道野イタ美ちゃんの陰もあって「キュア尿道院っていい名前」と思ってずっと昔にそのままツイートしたら、“いいね”してくれたのだった。

お名前からもわかるように、プリキュア筆頭にアニメにちなんだ曲を歌っていて、でも驚くことに、アレンジがUK/USロック風味やって、可能性。なんかマイブラのラブレスの最初の方に入ってる曲っぽいなと思って聴いていたら、轟音のなかでささやくように、アニメをモチーフにした事象が聞こえてきて、「あ!」ってなった。そのあとの曲では「sonic youthパクりました」という丁寧な説明もあった。

尿道院さんもめちゃくちゃさわやかで腰が低くて、めっちゃ気遣いのできるええひとやって、そこも感動した。”いいね“してくれたんで嬉しかったと話したら「エゴサするんすよ~」と言っていた。

2番手がわたし。なんかもう全然アカンかったけど、でも新曲2曲できたのはよかった。

新しく披露した「南十字」という曲は、「東京日記013」に書いたことがテーマの曲で、なんとなく披露するまえに言葉にしておきたいなと思ったから東京日記には綴った。

それと今ネットではトランスジェンダーの女性を排除する流れがあって、本当かはわからないけれど、それに苦しみ自殺したトランス女性がいるとも、とあるブログで読んだ。そのブログは亡くなったトランス女性のお友達の書かれたもののようで、その切実な思いにふれた。私は同じLGBTというカテゴリーの中にいるのに、自分のテリトリー以外にある現実を全く知らないんだなと、暗い気持ちになった。東京日記やトランス女性、そういった「苦しむ女性たち」に捧げるような気持ちで「南十字」は作った。

「剥製」については、またの機会に。

3番手がADさん。サンプラーを使ってラップをして、そこに描かれているのは都会に生きる男の子の生活やって、関西にいた頃の私はそういった人たちをとても羨んで生きてきたけれど、ADさんの「うた」を聞くと、でも彼らはとてもしなやかで、だから苦境をたやすくシュリシュリと乗り越えているんだろうなぁ、なんて思った。憧れてしまう。早口でラップすることも私にはできない。「ゆで太郎」といううどん屋の曲が良かった。

イベントが終わった頃、尿道院さんとADさんはもともと知り合いのようで、かつアニメ好きという共通項もあって、たくさん話してはってて、私はアニュウさんのもとへ行った。アニュウさんは結婚をしたばっかりだったので「身の引き締まる思い」といっていたけれど、最終的には「ゆっくり頑張りたいです」と締めくくっていたので、そこが良かった。

 

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1.一億の夜 2.白い栄華 3.千年 4.南十字 5.剥製 6.火の輪くぐり

2018.01.24 (木) 「クールビズ西山企画 “寝台列車は夢の中へ”~第六夜 凍える夜へと歌を灯せば~」 於 西荻窪Pit bar

■出演
クールビズ西山
ジャックロイド・アダムス
万年床わたなべ
根岸卓平


さきの円盤でのカバーイベントで仲良くなった、クールビズ西山さんの企画。初めての会場で、初めての方々とご一緒した。

1番手はジャックさん。荒々しくギターをかき鳴らしていて、声もハスキーで、かっこよかった。聞けばまだ弾き語りは始めてばかりだといっていて、たまたまクールビズさんがオープンマイクで一緒になり、声をかけたという。そんなこともあるんだな。

2番手がわたし。

リハのとき、どうしてもダクトや電化製品の音が気になってしまって、スタッフのかたに「どうにかなりませんか?」と訊ねる。自分のしていることは沈黙を利用するし、集中もできない。「どうにもならない」ということだったので、じぶんはどうとしても、聴いてるかたがどう思うかな、というのが心配だった。

とはいえ、他のかたのリハや演奏を聞いていると、「外音は意外と大丈夫かも」と思った。揉めたわけではないけど口調が強かったように思い、ちょっと申し訳ない気持ちになった。

この日は久しぶりに「麒麟」や「鳳」をやって、気持ちよかった。歌いながら、どっちも飛びそうなモチーフやのに、あんま飛ばん歌やなと気づいた。

MCでクールビズさんのことを「少年マガジンみたい」と表現して、念頭にあったのは「鳴くようぐいす」だったのだけど、わたしが「火の輪くぐり」をするとき「出た!火の輪」と叫んでいて、やっぱうぐいす感あった。

3番手が万年床さん。万年床さんはすでにファンも多く、巨匠感があった。タイトルでガツンといって、小ネタの応酬。「R-1とかいいんじゃないスか?」とクールビズさんが訊いたら「それでも大丈夫です!」と言っていて、この柔軟性が巨匠たるゆえん。

最後がクールビズさん。ジャックさんとは違うベクトルの荒々しさがあった。切実な虚無もあって、そこがかっこよかった。

わたしはクールビズさんのことをまだ全然知らないけれど、大きい声でハキハキ話す、けど目の奥に何かある人やなと思っていて、それが何かはわからなかった。でも歌を聴いていると、わかることもあった。だから、グッとくる。

イベントはお開きとなって、クールビズさんは颯爽といなくなった。ジャックさん万年床さん、そして私。十人十色を絵に描いたようなメンツやなと思ったので、たくさん話したくなり、さらに西荻の飲み屋街に興味があり、いつかお店に入れたらなと思ってたので、打ち上げとかどうですか、と誘ってみたら、案外好感触やったのでよかった。

万年床さんは仕事の都合で参加できなかったけど、「また会いたいです」と言ってくれたので嬉しかった。

ジャックさんと二人でお店に入った。同い年なのもあって、共通の話題が多かった。悩んできたことも似ていた。

ジャックさんの聴いてきた音楽とわたしの聴いてきたものは違っていて、たとえば中学生のときに2人が出会っていて、もしクラスが同じやっても、あまり話すことがなかったのかもしれない。だけどこうして打ち明けたり、手を叩いて笑いあったりするのは、ここまで生きてこれたからなんやろなと思った。

生きることを正しいと、信じることのできる夜は楽しい。うれしい気持ちで帰る。

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1.一億の夜 2.白い栄華 3.千年 4.麒麟 5.火の輪くぐり 6.鳳

2018.12.18 (火) 「今宵ミーハー気分」於 高円寺 円盤

《出演》
jobanni
關伊佐央
宮永遼平
モリタサオリ
根岸卓平

アイドルカバーイベントでした。顔見知りの方ばかりなので、ずっと楽しみだった。

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菊池桃子Teeで参戦しました。

一番手の關さんは聖子ちゃんや明菜を歌っていた。關さんの音楽は異空間のジプシーのようだと思っているのだけど、カバーでもいろんな場所を旅しているようだった。場所、とはいうけれど、超えるのもは国境や時空はもちろん、自分、でもあるのかもしれない。ブリちゃんのカバーは、ムチをしならせる女王のようだった。

二番手がわたし。SPEED「STEADY」と恵比寿マスカッツ「親不孝ベイベー」を披露しました。


 

MCでも話しましたが、カバーというのは解釈が重要だと思っていて、だからわたしは、「STEADY」はアカペラでしますし、それが合ってると思う。アレンジはダンスポップスだけど、メロディと詞だけを取り出すと情念が描かれていて、わたしはそこが好きだから。

少なくとも3、4年は披露してなかったように思う。長く大きな拍手をいただけたので良かった。

「親不孝ベイベー」ではギターを弾きました。3月に居酒屋ちどりさんで披露した時にアレンジが弱いなぁと思ったので、改めて練り直しました。いい感じにだんだん仕上がってきたように思う。

ほんとは深田恭子「スイミング」も披露したかったのですが、どうアレンジしても10分超えるので、聞いてる人もしんどかろう、と思い辞めました。この曲は大好きなこなかりゆさんが作った楽曲。もっときちんとしたアレンジで披露したいな。



 3番手は宮永さん。名曲の多いスマイレージの中でも「ぁまのじゃく」「自転車チリリン」「私の心」とキラーチューンばかり。それでも宮永さんのミニマルなアレンジで物語が重層的に響いて、やっぱりとてもよかった。



宮永さんの「ぁまのじゃく」聴けますよ

 

4番手はモリタさん。百恵ちゃんの曲をストレートにカバーしてて良かった。声がハスキーで、蓮っ葉な感じもあって、合っていた。さいご關さんがギターで参加したことでボーカルに専念。やっぱり歌うのが好きな人なんだろうな。

トリはじょばんにさん。2人組みユニットでされている時よりも、声も音もしっかり聞こえてとても良かった。岡田有希子の儚さも大森靖子の大袈裟なくらいのロマンも、歌になっていた。歌うことは、抵抗することなんだと改めて思う。

お客さんとして来られていたクールビズ西山さん(ハロヲタ)に引導されるまま打ち上げへ。西山さんは漫画みたいな人だ。

「男性アイドルの歌がなかったですね」という声があって、その理由についてみんなで考えた。その時はなんとなく「男の子の歌ってあんまりピンと来ない」みたいな感じで、わたしは口にしてしまったのだけど。

帰り道にぼんやり考えていて、でもいい答えが思い浮かばなかった。男の子の歌は歌ってほしいけれど、女の子の歌は歌いたい、みたいな感じがあるようにも思う。男の子の歌は、口先でいいことを言うから好きで、女の子の歌は、内心の複雑さが好きだから。

2時近くに帰宅。酔いさましに味噌汁を飲む。

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■おまけ■



いい歌だなあ。。憧れちゃう

2018.10.29(木) 「Inspiration & Power」於 東高円寺 UFO CLUB

《出演》
NANORISK AKATSUKI(from France)
gloptin

uxnxixcxexf
根岸卓平

めっちゃ面白かった。ブッキングの妙の冴える1日でした。

一番手の藤さんは、2人組みのギターノイズユニット。暴力的なノイズで大暴れして、10分と少しくらいで去っていったのがかっこよかった。めちゃくちゃ怖い人らなんかなと思ったら、楽屋ですごく優しくしてくださったので嬉しかった。

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2番手のuxnxixcxexfさんは3人組みで、ジャンクな音の組み合わせで、絶叫しながら1分足らずの楽曲を繰り返していた。ヒリヒリした感じが、そしてそれを「ヒリヒリしたもの」として観客も受け入れてるのが東京っぽくてよかった。

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リハーサルの段階でなんとなく察していたのだけど、NANORISK AKATSUKIさんの姿を見かけない。スタッフの方に訊くとどうやら、朝は中野にいたそうだけど、忽然と消え、連絡も途絶えたままだという。

それでもオンタイムで進めようとなり、40分後にgloptinさんの演奏が始まった。gloptinさんもすごかった。

gloptinさんは自作のパーカッションで強靭な爆音を叩きまくり、血管切れるくらいめっちゃ叫んでて、途中で半裸になって、機材の電飾でカラフルな模様が肌に映し出され、それでも「空の向こうに笑顔」とかが聞き取れて、すごかった。「これはカニさんや斑鳩さん案件では…」と思いながら観ていた。突き抜けてて面白かったし、まっすぐな人はやっぱりかっこいい。

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結局アカツキさんが現れずじまいだったので、わたしも40分後に演奏した。

スタッフの竹井さんがアカツキさんのいない分、長めに演奏してもいいですよ、と言ってくださったので、1曲多めに演奏しようと決める。鼻炎による鼻汁をすすりながらも、待っている40分で「よすが」の練習をした。

1曲目からみなさんが集中してくれてるのがわかってうれしく、自分もいっそう集中できた。

「骨と燈」がずっと自分の曲でないような気がしていたのだけど、やっと自分の呼吸のペースに追いついてきた感じがあって、よかった。もしかしたらそれが一番の収穫かもしれない。

終演後、いろんな感想を聞けてうれしい。「火の輪くぐり」を作ってよかったなと改めて思った。CDもたくさん手にして頂いて、「さざなみ」や「統合失調症のひろば」の感想もその場でいただく。竹井さんは明石の人やので、地元話に花を咲かせたのも楽しかった。

なんとなく嬉しくなってお寿司を食べて帰る。

1.一億の夜 2.白い栄華 3.千年 4.骨と燈 5.みなかみ 6.架空 7.火の輪くぐり 8.よすが

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滴草由実さんの新曲がとてもいい。。「先鋭的なポップス」の意味を押し広げている、稀有なアーティストだと思います