Negishi Takuhei

根岸卓平の演奏日程と、その後記

【ライブ予定】

2018.05.13(日)
「亀有三人会」
於 亀有 KID BOX
(〒125-0061 東京都 葛飾区 亀有5-32-16)

ロックなバーKIDBOX - 魔法のiらんど

【出演】
アニュウリズム
宮永遼平
根岸卓平

adv./door 
open/start 

2018.05.22(火)
於 大久保 ひかりのうま
(〒169-0073 東京都新宿区百人町1-23-17-B1)
音楽と珈琲 ひかりのうま

【出演】

adv./door 
open/start 

【おしらせ】

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≪新作情報≫
根岸卓平 "2016.11.11(CDR/500円)"
1st e.p."とき"の発売記念イベントでの演奏の様子を収録しています
気合の入った演奏でしたので、ゼヒ聴いてほしいです
ライブに来るキッカケになれば嬉しいです

通販ページ⇒https://uncowakige.thebase.in/

uncowakigerecords.hatenablog.com


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演奏のお誘い/ご予約/お問い合わせはこちらまで
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Twitter @NegishiTakuhei

木の鍵(Official Homepage)
http://uncowakigerecords.wixsite.com/a-wooden-key

【後期】2018.03.17(土)於 浦和 居酒屋ちどり

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出演:
アニュウリズム×宮永遼平
どろうみ
根岸卓平

ご来場ありがとうございました。

ちどりさんはクークーさんだったときにお世話になっていて、どんなお店をどんなひとがしてるんだろうと思っていたのだけれど、扉を開くと体格のいい男性がいて、すぐにちどりさんだとわかった。どことなくコーヘーさんに雰囲気似てるなと思った。芯があって、スクッとしているというか。埼玉の遺伝子なんだろうか。わたしの耳の悪さにも付き合ってもらって、丁寧にPAをして頂いてありがたかった。「店舗責任者」のところに「千鳥」という名前があって、本名なんや、とちょっと感動した。

一番手は主催のアニュウさんと宮永さん。2人はソロだと、アニュウさんは繊細で宮永さんは朴訥としていて、これが埼玉、とわたしはよく思うのだけど、デュオになると叫んだりアヘ顔したり、クイズしたり罵ったりして、楽しそうだった。あふりらんぽみたいですね、って言いそうになったけど、褒め言葉に捉えられるかどうか不安なので止しておいた。ギターがジャンクでかっこよかった。ジャンキーじゃなくてジャンクのかっこよさだったと思う。

二番手がわたし。今回はむかしの曲も披露したいなということからセットリストを考えていて、というのも、環境が変わったので、今までのじぶんをふり返ってみようという気持ちだったのです。すこしアレンジも、右指の使い方含めて、変えたりして望んだ。なんでそこ失敗するかね、というところばかりミスしてしまって後悔ばかりだけど、毎回そんなこと言ってるなと帰り道に思う。気づいたけれど、ようは演奏中の気の保ち方なんだろうなと思う。ここはミスしそうなら一呼吸置くとか、それくらいのことをしないと達成できないようにも思う。1、2曲めの流れは、滑るような感覚があって気持ちよかった。

最後に恵比寿マスカッツの「親不孝ベイベー」を披露した。Twitterで宮永さんに謝りたいことがあると散々喧伝していたのだけれども、すべてはこの楽曲への”フリ”であって、というのが、話すのがババほど長くなるので詳しくは割愛するけれど、つまり宮永さんとポエムでツーマンしたときにBerryz工房の「ガキ大将」を披露するって約束をしたのに、すっかり忘れてしまった。今一度ここで謝りたいというので、謝って、せっかくなので「ガキ大将」を披露したい。だけど、若干ハロプロへの愛が薄れてきているので、代わりといっちゃあなんですが、恵比寿マスカッツを披露します、というくだりで、披露しました。曲への思いはこちらを参照していただくとして、こういう、きちんとリズムや展開のある曲って、むずかしいなと改めて思った。じぶんのなかにまだ、その様式やその引き出しが、少ないんだろう。歌っているときに頭のなかで、恵比寿マスカッツのみなさんが全然ツイストしてなかったので、もっとツイストさせたい。

三番目手がどろうみさん。わたしより皆さんお若いのに、大陸的な雰囲気があり、異国のような、でも「いま」っぽさもあった。ザ・フォークといったようなギター、軽やかな太鼓の音、それからめくるめくピアニカとアコーディオン。ご本人たちにもお伝えしたのだけど、上々颱風をちょっと思い出した。「明るい曲」と紹介していた曲は「愛よりも青い海」のようでもあった。でもちょっと尖っていて、だから「いま」なのかもしれない(もちろん、上々颱風もとてつもなく尖っている)。

ボーカルの方と映画や文学のはなしがたくさんできてよかった。どろうみさんは仙台や岩手から出てきた方々のグループのようで、そういう地域のカルチャーのはなしも出来てうれしかった。

会場ではお久しぶりにお会いする方々はもちろん、アニュウ兄さんの幼馴染の方まで居て、あらゆるお話しができたのもよかった。酔ってきちゃって、ちどりさんの居酒屋メニューを食べようと意を決していたのに、フタを開けてみれば数多あるなかから選ぶのが困難となり、肴なしでジャブ飲みし、なんか楽しくなってきちゃって、アニュウ兄さんとmiyaと写真撮影したのに、なんか髪の分け目が気に入らねぇっつって、何度も撮り直して、気に入られねぇなぁ、生え際がよぅ、となり、いったんは落ち着いたものの、終電にギリで乗り込み落ち着いて、また見返して、なんなんだこの髪型はよぅ、キューティクルさんよぉ、ってな具合で、結局車中で写真を消去してしまって、朝起きて、すっげーヤな奴、じぶん、と自己嫌悪に陥る。すみません、またみんなで撮りたいです。

1.鳳 2.架空 3.白い栄華 4.骨と燈 5.みなかみ 6.千年 7.黄金の鳴る おまけ.親不孝ベイベー

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【後期】2018.01.22(月) 於 八丁堀 七針

出演 :
アニュウリズム
佐藤玲
根岸卓平

ビックリするくらいの豪雪で、窓あけても雪やし歩いても雪やし、滑るし寒いし、駅についても人まみれで黒く濁った雪のこびりついたコンクリ、電車満員。清岡さんからのライン、今日はぼくのでるイベントは中止になりました、という旨。ほんま、こんなんでイベントできんのん、と思った、


横殴りの吹雪を掻い潜り、シェルターのような七針、あけると、佐藤さんアニュウさん、林谷さんがストーブ囲んでて、やわらかな感じ、


イベントの中止が相次いだのもあったのか、フタを開けるといろんな方々が観に来てくださってうれしかったな、わたしが初めて七針で演奏した日も、そういえば雪の日だった、みんなゲンキにしてるかな、

佐藤さんはやわらかな女性のうたというか、これはじぶんでは作れないうただなと思った、あとアニュウ兄さんはわたしが”上京して初めて演奏する”ということに言及した上で、わたしの好きな「私の心」を歌ってくれて、粋なはからい、ほんまええうた、

わたしはトリで、なかなか不安点ばかり目についてしまった。例えばマイクや、足の組み方。椅子。指と弦の、関係。はやく自分にとっての「ちょうどいい」を知るべきだと思うのに、

だんだん気持ちも乗ってきて、そうだ、「架空」のころ。ああ、季節を思って、歌うことを忘れている、と思い出し、七針のそとの雪のことを思いながらうたった、七針のまえにはあたたかなお店があり、窓はくもり、すこしゆくと、曲がりかど、橋、ファミレス、

このうたは、若山牧水のことを思ったうたでもあった、たまたまカバンに忍び込ませた歌集、


とても楽しくMCもでき、もうひとりでダダーッと話してしまって、けれど、よかったというひともいてくれたし、よかったのかもしれない。あまり深く考えないようにしているので、揺れないじぶんがいる、

「さざなみ」に興味を持ってくださる方もいてうれしかった。熱心に読んでくださるかたもいた。なにをしていても、興味を持ってもらえるのはうれしい。

帰りに佐藤さんとたくさん話して帰った、お互いのこれまでのことを話して、佐藤さんはもともと絵を描いていたけれどいまは音楽にも興味があるというスタンスで、ルーツはちがうけれど、「作る」というはなしをするのは、どんなものでもうれしい、

1.鳳 2.実を吸うて 3.架空 4.骨と燈 5.千年 6.一億の夜

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【後記】2017.11.08(水) 「二つの窓」於 梅田 ハードレイン

≪出演≫
矢野汕骨
三好真
ドーラ
根岸卓平

移住まえ最後の演奏でした。

あまり気負わず、いつも通りの演奏ができればいいなと思いパフォーマンスをしました。前に共演した浜谷隼輔さんと話したときに、右指が弦にふれる場所や、その強弱で、当然だけど音は「変化する」という話をしていて、意識しながら披露したのだけど、どうだったのだろう。

顔の表情を含めての、「頭」を使った表現。さらにそれも含めた、ひろい意味での「身体」を使って歌っている、ということに触れた感想が多くて、とてもうれしかった。音楽は精神であり、それを伝える媒介としての身体。この1年、とくに意識して取り組んでいたので良かった(あとMCが快調だったので、とてもご機嫌でした)

共演の方々もよかった。氷をやぶらないよう歩く、そんな姿に似ているドーラさんから始まり、二番手の三好真弘さんは、都会ではない場所を都会的な感性で切り取っていた。声や恰好もよかった。三好さんの歌に出てくる土地に行くと、「うた」にさらに同期できるんだろうか。とても素晴らしかった。三番手はじぶんで、四番手は矢野仙骨さん。普段の矢野さんの様子とは違って、歌の中ではちょっと"クサい男"を演じているようで、かっこよかった(私はそういうひとが好きだ)。うしろに大阪湾が見えたような気がした。俳優だった。

お見送りもかねて、たくさんのひとが見に来てくれた。ブッキングのライブで、キャッシュバックからのギャランティを貰ったのは初めてだった(こんなにカタカナを使ったのも初めて)。ずっと見てくれてるひと、職場のひと、よくごはんに行くひと、呑みに連れてってくれるひと、じぶんもそのひとの音楽のことが好きなひと、来れないけれど連絡をくださったひと。みんなそこにいた。とてもよかった。

ハードレインには20歳そこそこの、演奏をしたてのころから出ていた。ギターを持って、半年とかのころで、ひととの距離感も今よりよくわかっていないころだったし、じぶんのことでアタマがいっぱいな時期だった。だからハードレインのスタッフさんの顔を見るだけでも、ちょっと恥ずかしい。もう8年も前のはなし。でもその頃から、メンツは変わっていない。しいて言うなら、SiMoNさんが増えた、くらいだろうか。

じぶんはほとんどライブ演奏をしていない時期もあったし、数年ほど、演奏する側としても観る側としても、ライブハウスから遠ざかっていた。だけど"Gossip Folks"を出して、もっと人前に立ちたいな、と思っていた時に、SiMoNさんから「YouTubeみました」「ハードレインに出ませんか」というメールを頂いて、それからまた、出るようになった。

SiMoNさんはblgtzのひとで・・・というはなしは、この記事にゆずるとして、そんなこんなで戻ってきても加納さんもノンちゃんもPAさんも、もちろんSiMoNさんも、とても温かく出迎えてくれた。

東京にいきます、といったとき、加納さんは「もっと早くてもよかったかもね」と言ってくれて、よくわからないけれど、すごく嬉しかった。ライブハウスに戻ってきてからのじぶんの動きを見ててくれてたんやろな、と思った。ノンちゃんとは、この日はノンちゃんが今ハマっている南京玉すだれとか森田さんのはなしをしていて、あんなこともあったねぇ、なんて話しつつ、最後のほうで、でもまたかえってきてええからな、と言ってくれて、そうだよなぁと思った。森田さんのトリビュートのときに見た、モノマネもそうなのだけど、回りをよく見ているひとなんだよな。

そろそろ帰ろうかなと思っていたときに、PAさんに呼び止められて、あなたはどうして東京にいくの。それはやっぱり、音楽のためなの、と訊かれた。

率直に、音楽のためです、でも音楽だけでなく、物書きとか詩とか、そういうことを中心にした生活を送りたいと思ったので、それなら東京がいいと思いました、と答えた。すると、あなたは絶対売れないよ、と彼女は言った。

そういうことじゃないねんけどな、と思っていると、続けて、あなたは売れない、だけど「それで苦しんではならない」といった、

PAをしていると仕事に集中したいから、なるたけ音楽の内容とか、耳には入らないようにしている。だけど、あなたの「うた」は、そうして律していても、ふとしたタイミングで急に言葉が、声とギターと一緒になって、飛び込んでくる。塊となって、投げ込まれてくる。そうすると、なんでこの言葉なんだろう、と私は思う。なんでいま、この言葉が、やってきたのだろう。すると頭から、離れなくなる。それらは、不可解なものが多い。私なりに推測をするしかないのだけど、推測すればいつも、フィクションだとしたら、どうしてこんなことを歌いたいんだろうと思うし、ノンフィクションだとしたら、何があったらこんな歌を作るんだろうと、思う。私そのものが、揺らいでしまう、

それはあなたの歌の「怖ろしさ」だと思う。戻ってきてからのほうが、それは強い。表現力が上がったとか、そういうこともあるのだろうけれど。

最初のころはどうしても、フェミニンな見た目もあって、エログロの要素もあったしで、なんとも思っていなかった。そういう音楽は、それっぽいファンとかがそれなりにいて、だから最初観たときは、まぁそういう音楽人生なんだろな、くらいに思っていた。先のことまで、読める音楽だった。だけど、あなたはエログロを振り切って帰ってきた。わたしは絶対「いま」のほうがかっこいいと思う、

だけど「ひっかかり易い」部分を自ら捨てたわけでしょう。それにあなたは、正解がわかっているのに、すぐ「ずらす」。そこに、落そうとしない。音楽の内容しかり、「さざなみ」のエッセイしかり。誤魔化すのも、はぐらかすのも、上手い。

その上手さが、「すごい」のだけど、それがわかるひとは少ない。だからといって、じぶんを悔いたり悲しんだり自暴自棄になるのは、お門違いだ。それがしんどいことなのはわかっているけれど。それでも、歌い続けてほしいし、そうするしかない。

そんなこと、わたしが言わなくても、あなたみたいな「うた」を歌っているひとのほうが長く演奏を続けるし、続ける分、たくさんの味方をつける。年を重ねることで豊かな「うた」を歌うことも知っている、

だからあなたは、歌い続けるしかない。

どんなふうに応えたかは、覚えていない。雨上がりの風が、すこし気持ちよかった。

本当にありがとうございました。

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写真はモツさんが撮ってくれたUncoWakigeRecords Tee。Mが4枚、Lが2枚あります。引っ越し代金に充てたいので、買ってよ。

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1.鳳 2.架空 3.骨と燈 4.実を吸うて 5.千年 6.一億の夜

2017.10.25(水) "森田雅章の災厄" 於 梅田 ハードレイン

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≪出演≫
ゴンゴンズ奥村 寺田遼一 浜谷俊輔 安田支度 加納良英 みのようへい ルイ・リロイ カニコーセン 郷土みやげ 根岸卓平

森田雅章トラディシオンカントリーバンドセット:
森田雅章 中川裕太 矢田伊織 多門伸 iidie kazoo

森田さんのあたらしいカセットの発表を記念した、トリビュートライブでした。それぞれが森田さんのうたを披露して、森田さんはまたそれぞれのうたを返す、といったスタイルでした。

さいしょお話をいただいたときに、森田さんのうたはたくさんあるから、どれがええんかなとボンヤリと考えていた。「動物病院の前」「カレーの歌」といった名曲然としたうたはほかのひとが歌ったほうが映えるだろうし。

森田さんに訊ねてみたら「キャンディガール」をうたってみてよ、とのことだった。「キャンディガール」は森田雅章トラディシオンカントリーバンド幸福の王子」に収録されているうたで、うたへの思いは、まえにブログで書いていて、たぶんそれを覚えててくれてはったんかな。そうなると確かにじぶんも歌い甲斐があるし、じぶんの解釈もある程度行き進んでいるからやり易いやろうし、ええかもと思いました。

「きみはガットギターのよさがわかっていない」とまえに言われたことがあって(森田さんじゃないです)、その意味について、ここ数か月ずっと考えていた。その人が言うには、スラップベースみたいな弾き方が多すぎる、ということだった。つまり、音に勢いがあって硬い。そのときは「じぶんがしたいのはそういうことだからいいんじゃないの」と思ったのですが、時がたてば確かに、真理はどうであれ、「ガットギターのよさ」からすこし遠いことではあるよな、と思った。

なるたけギター本来の倍音とかやわらかさとかを支柱にした演奏がしたいなぁ、それに森田さんのほうの「キャンディガール」は牧歌的なバンドサウンドだけど、じぶんにとってこのうたは「フォーク」だから。独語でありたいと思う。

「難解ドアをたたく」というフレーズが出てくるのですが、「難解ドア」がなになのかわからなかった。歌詞の対訳に出てきそうなフレーズだなぁと思った、Difficult Doorと、韻もいいし。ともあれ、耳だけで聞くと「何回ドアをたたく?」にも聞こえるし、そういう風にも聞こえるように歌えたらなぁと思った。難解だから、何回もドアをたたくのだし。

森田さんは「千年」を披露してくれた。森田さんはまさに「独語」だった。焚火の前でひとり、言葉を重ねているようだった。しみじみと、でなく訥々と。それはギターの音にも出ていて、わたしのギターを使って演奏されてたのだけど、あぁ、こんなギターらしい音がこのギターから出るんだ。技術とか知識とか、趣味とか、そういうのもあるのだろうけれど、「森田さん」という「うた」だった。

のんちゃんの森田さんのマネがすごくよかった、コピーとカバーでいうと、あれは確かに「カバー」だった。クレイジーケンバンドも「完璧にぜんぶ再現する」というカバーをやっていた。ルイさんは間奏でうたの世界を表してて、やっぱりすごかった。

ゴンゴンズの奥村さんと森田さんがふたりして特撮の主題歌を歌っている姿、よかったな。前日に東京にいってて、夜行バスの運転手のおじさんたちがきゃっきゃ鬼ごっこしてるのを見ていたのですが、男のひとはいつまでたっても、少年なんだなぁ。

みのさんがすごかった。みのさんは、年々「ワルい男」になっててかっこいい。肩の力が抜けた、というより、じぶんの言葉をつかめているのだと思う。バンドのCDもすごくよかった。森田さんもカバーした「春」はほんとにすごい歌だと思う、「あの花をみていると/気がふれるだろう」というフレーズから最後の「見ていてやろう/しおれていくまで」という図太さ。うたのなかにその見ているだけで気がふれそうな「花」と「君」を思う心が共存しているのも、すごい。

みのさんのけだるそうな、半笑いなのに睨みをきかしたような声に、倉橋由美子の本に出てきた、「目は座ってるけど、口は笑ってる。それが鬼の顔」という節を思い出した。ルーズなタイム感があるのに、どこかタイトで「ちぐはぐ」なリズム隊もあいまって、「みのようへいと明明後日」というバンド名がすごくしっくり来た。

さいご森田さんが、中川さん矢田さん多門さんを従えて「カレーの歌」を披露した。結局森田さんが一番かっこよかった。森田さんはいろいろな種類の音楽を作ってきたけれど、そういうひとがオーソドックスなことをすると、そのひとの持つすごみがよくわかる。弾き語りもバンドも、そう。

はなしが前後するけれど「大学へ行けなかった君へ(当日はみのさんがフィードバックノイズをぶちかまして披露した)」は、90年代を生きたひとの「フォーク」だなと思う。じぶんにとってはカニさんもそう。それをしているひとはなかなか少ない。みんな、歌うことをやめてしまったから。

かえりにカニさんとすこし歩いて、いろいろはなせてよかった。むかしカニさんのまえでタバコを吸うのが恥ずかしかったことを思い出した。

さいごにみんなで写真でもとればよかったなぁ、と思いながら帰る。

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             写真は安田さん。森田さんに見られているわたし。

2017.10.05(木) Peter Joseph Head Japan Tour(神戸編) 於 元町 space eauuu

【出演】
Peter Joseph Head(Australia)
mukuchi
根岸卓平

ご来場ありがとうございました。

東京移住まえラストの神戸での演奏だったのですが、いつも通り演奏できました。じぶんのうたは「季節」をキッカケにできてるなぁ、と思っているのですが、あまりそれが聴いてくださってる方々に伝わってないように思っていて、つまりひとからすると、じぶんのうたには季節感がない。と、さいきん気づきまして、弦の抑えかたとか指のありか、発声のひとつをとっても、「季節」を感じてもらえたらなぁと思い演奏しました。秋、だったかしら。

「煌悼」のアレンジを大幅に変えまして、まえよりだいぶシンプルになったんじゃないかな。看取るようなうただと、思い始めています。

mukuchiさんは名前の印象から、気難しいひとだったらどうしようと思っていたのですが、気さくな方でよかった。キッチュなポップスだった。都都逸みたいなリズム、というか音像がかわいらしかった。ピーターさんはカタコトの日本語でうたっていた。私は、帰国子女もふくめて、別の言語にも堪能な方が、日本語を選んだときの「違和感」みたいなのが好きで、それは言葉遣いとか表現の着想とかがそうなのだけど、だからピーターさんのうたは好きだった。毎日ちがう色のシャツをきるけれど、金曜は大好きな赤いろを着るのさ、といううたに「情熱の赤」というタイトルをつけるのは、突飛でもコミカルでもない、「真摯」な表現だなと思う。

いろんな方が観に来てくださって、うれしかった。餞別のことばを選んで、はなしてくれた。イベントのあと、仕事おわりの汎芽舎のマキヤマさんが来て、ビールをおごってくれた。

さいごだから、というわけでなく、いいイベントだったし、何より、じぶんはいい演奏をしたから、もっとたくさんのひとに、観に来てほしかったな。毎度のようにそんなことを思って、もう8年になる。

演奏はじめて2年くらいして、やめようかな、と思っていたときにカニさんがいろんなところに連れ出してくれて、そこから数えると6年で、やめる気どころか、あまつさえ東京に行ってでも続けようとしているじぶんがいる。月が高い。

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≪曲目≫
1.煌悼 2.実を吸うて 3.架空 4.骨と燈 5.千年 6.一億の夜