Negishi Takuhei

根岸卓平の演奏日程と、その後記

2018.07.16 (月・祝) 「海のホリデー」 於 日ノ出町 試聴室その3

2018.07.16 (月・祝)
「海のホリデー」
日ノ出町 試聴室その3

《出演》

アルプス
磯田渉
根岸卓平

日ノ出町ってどんなところですかと清岡さんに訊いたら「絶対好きだから自分の目で見た方が早いですよ」と言われたのですが、意味がわかった。好きな感じでよかった。

街並みは新開地っぽさもあるし、地元と同じニオイもする。試聴室その3の近くには「北欧」と言う名のアダルトショップがあり、挑戦的やなと思ったし、示唆的でもあるなと思った。結構みんな床で寝てる。「ごっつい町ですね」とMCで話したら、アルプスさんも「ごっついですよね」と返してくれたのでよかった。

今日のイベントはブッキングのアンジュウさん曰く「西で攻め」とのことで、アルプスさんも磯田さんも、京都にゆかりがあって、でも兵庫にもそれぞれ縁はあり、嬉しかった。わたしの「ごっつい」という単語も今日だからこそ響いたのかもしれない。

磯田さんはバンドの曲をソロでされていて、不思議な間がいっぱいあって面白かった。ここに他の楽器が入るんかなと想像した。無骨だけどファニーに飛び交う声が好きだった。アルプスさんは穏やかな雰囲気で聴いていると、失恋したことを「私だけ勘違いしてたみたい」と歌っていてビックリした。ちょっとすごかった。

まえに宮永さんに「ロックとかするのってどんな気持ちなんですか」と訊いたら「鳴らす、みたいな感じっすよ」と言われて、じゃあ歌ってる自分は永遠にロックではないなと思った。

でも自分は歌ってるつもりでも「鳴らしてる」んかもしれへんなとも思い始めた。「意味はわからないけど言葉の響きがいいのを選んでる、ように聞こえる」と前に自分の音楽について言われたことがあって、それはつまり、自分は意味を伝えたいけれど、相手には響きが優先的に伝わってるんやなと思って、なんか面白かった。

それから自分も歌ってるんじゃなくて「鳴らしてる」んやと、そういう気持ちで挑んでいる。「うた」というより「音楽」として生きているような気がして、結構いい。

前日に誕生日を迎え三十路に突入したので、その記念に初心に帰ろうと、ハタチのときに初めて作った「よすが」を披露したのですが、最初の頃と全然曲が変わってるなぁと思った。もっと硬質なものをしていたし、当時はそう求めていた。

この曲を作ったのは大学に通うときに乗ってた、神戸市営地下鉄の、ニュータウンを見下ろす車窓で、「うたでも作りたいな」と思っていた矢先に詞があふれてすぐにスマホに書き留めた。5分もかからなかった。詞が目の前にあることで手一杯で、ほとんど修正しないままギターに乗せたのが恥ずかしくて、だからGossip Folksのブックレットでは歌詞を省いている。

アルプスさんや磯田さんと話せてよかった。アンジュウさんのお友だちともたくさん話した。「さざなみ」をみなさん手にとってくれて、その場で感想を伝えてくださったのも嬉しかった。

まえに汎芽舎の槇山さんと、ひとまえに立つんって健康のためみたいなとこありますよね、という話になったのだけど、やっぱそうやなと思った。いい海の日、いい三十路の始まりやった。

1.鳳 2.白い栄華 3.黄金の鳴る 4.骨と燈 5.架空 6.千年 7.よすが

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