Negishi Takuhei

根岸卓平の演奏日程と、その後記

2018.02.26(火)「散歩19」於 高円寺 円盤

■出演
AD再騰二三夫
キュア尿道
根岸卓平

円盤の火曜店員・アニュウさんのお誘いでした。

リハーサルのまえにADさんとお話させてもらって、さわやか、というかこう、シティ感あるなと思って、東京の若者に触れた気がした。下北沢でお仕事されてるということで、「下北沢」と繰り返してしまう、もしかしたら初めてってくらい、わたしの思う「東京の男の子」らしい方にお会いしたのかもしれない。ADさんが外に出られたあと「さわやかでしたね」というとアニュウさんも「そうですねぇ」といっていた。

リハーサルが終わったあとなんとなくお腹が減って、そういえばミカンとトマトくらいしか食べてないなと気づく(このころは、食中毒の余波で食欲がなかったのです)。でも演奏まえにたくさん食べるのは、あまりよくないなということで、定食屋を避けコンビニを探すのだが、なんかめぼしい食べ物がなく、何軒か回ったあとに入ったスーパーで90円とすこしくらいのクリームパンを買って食べた。歩きながら食べたから、なんとなく高円寺のひとになれた気がして、むかし石橋貴明が「うたばん」で"旅なれテーラー"というギャグをしていて、用途も意味もよくわからなかったけれど、こなれてる感じとか気づけば両手添えてパン食べてるいまの自分の感じが、お行儀のいいテーラー感あるなとか思った。円盤にもどるころには、開演時間を3分くらいすぎていた。

1番目はキュア尿道院さん。わたしはずっと尿道院さんが気になってて、というのが、何かでお名前を知って、たぶん知り合いの知り合いが共演とか、そういう形やと思うのだが、あと尿道野イタ美ちゃんの陰もあって「キュア尿道院っていい名前」と思ってずっと昔にそのままツイートしたら、“いいね”してくれたのだった。

お名前からもわかるように、プリキュア筆頭にアニメにちなんだ曲を歌っていて、でも驚くことに、アレンジがUK/USロック風味やって、可能性。なんかマイブラのラブレスの最初の方に入ってる曲っぽいなと思って聴いていたら、轟音のなかでささやくように、アニメをモチーフにした事象が聞こえてきて、「あ!」ってなった。そのあとの曲では「sonic youthパクりました」という丁寧な説明もあった。

尿道院さんもめちゃくちゃさわやかで腰が低くて、めっちゃ気遣いのできるええひとやって、そこも感動した。”いいね“してくれたんで嬉しかったと話したら「エゴサするんすよ~」と言っていた。

2番手がわたし。なんかもう全然アカンかったけど、でも新曲2曲できたのはよかった。

新しく披露した「南十字」という曲は、「東京日記013」に書いたことがテーマの曲で、なんとなく披露するまえに言葉にしておきたいなと思ったから東京日記には綴った。

それと今ネットではトランスジェンダーの女性を排除する流れがあって、本当かはわからないけれど、それに苦しみ自殺したトランス女性がいるとも、とあるブログで読んだ。そのブログは亡くなったトランス女性のお友達の書かれたもののようで、その切実な思いにふれた。私は同じLGBTというカテゴリーの中にいるのに、自分のテリトリー以外にある現実を全く知らないんだなと、暗い気持ちになった。東京日記やトランス女性、そういった「苦しむ女性たち」に捧げるような気持ちで「南十字」は作った。

「剥製」については、またの機会に。

3番手がADさん。サンプラーを使ってラップをして、そこに描かれているのは都会に生きる男の子の生活やって、関西にいた頃の私はそういった人たちをとても羨んで生きてきたけれど、ADさんの「うた」を聞くと、でも彼らはとてもしなやかで、だから苦境をたやすくシュリシュリと乗り越えているんだろうなぁ、なんて思った。憧れてしまう。早口でラップすることも私にはできない。「ゆで太郎」といううどん屋の曲が良かった。

イベントが終わった頃、尿道院さんとADさんはもともと知り合いのようで、かつアニメ好きという共通項もあって、たくさん話してはってて、私はアニュウさんのもとへ行った。アニュウさんは結婚をしたばっかりだったので「身の引き締まる思い」といっていたけれど、最終的には「ゆっくり頑張りたいです」と締めくくっていたので、そこが良かった。

 

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1.一億の夜 2.白い栄華 3.千年 4.南十字 5.剥製 6.火の輪くぐり